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所蔵作品

所蔵作品紹介

葛飾北斎(KATSUSHIKA, Hokusai)

冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏

作品名:冨嶽三十六景神奈川沖浪浦

襲いかかる波間を三艘の舟が進む。舟は早朝、房総から江戸へ向かう押送船(おしおくりぶね:生魚や干鰯などを魚市場に運送した快速の船)。この揃物の主題は日本一高い山であり霊峰でもある冨士山だが、本図では動めく大きな波の間から遠くに小さく、しかし泰然自若として雪を頂いている。 本作品は、ドビュッシー作曲・交響曲「海」初版本の表紙を飾った事でも知られる。19世紀・ヨーロッパにおけるジャポニズムに影響を与えた作品としてだけでなく、今日まで国内外の様々な場面で影響を与え続ける。
「冨嶽三十六景」は北斎(1760〜1849)70歳代前半の作品。20代から数え年90になるまで描き続けた北斎の円熟・大成期の作品。北斎は、西洋の遠近法を取り入れた風景画を40歳代から描いている。「神奈川沖浪裏」には30年来、取り組んだ風景や波の表現における成果が見られるだけでなく、70歳代後半の次作『冨嶽百景』(全3冊)へつながる表現も見られる。
「冨嶽三十六景」は、当初36枚で完結を予定していたが、好評を博して追加出版された。最初の36枚の線刻(主版)は藍摺で、追加作品10枚の主版は墨摺。本作品は前者。従来、浮世絵の青に使われた露草、蓼藍などの植物性絵具ではなく、まだ目新しかった舶来品の"ベロ藍"と呼ばれる化学合成の絵具・ベルリンブルーを使用。植物性絵具より色が鮮やかで、しかも粒子が細かく紙に摺りやすいため作業能率も良く、その上退色しにくいという保存上の利点まである。天保以降、このベロ藍が、浮世絵の青を席巻する。北斎のこの揃物の流行は、舶来品のベロ藍─ 水や大気を表現する新しい青色を、幕末・開国前の日本に広める役割を果たした。

部門 浮世絵
作家名 葛飾北斎(KATSUSHIKA, Hokusai)
生没年 1760-1849年
作品名 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏
制作年 1831(天保2)年頃
大きさ 25.4×37.1cm
技法・素材 横大判錦絵・和紙
落款:前北斎為一翁画

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