所蔵作品

部門
絵画
作家名
BONNARD, Pierreピエール・ボナール
生没年
1867-1947年
作品名
パリの朝
制作年
1920年頃
大きさ
18.3×28.0cm
技法・素材
油彩

フランス象徴派の代表的な画家の一人であるボナールは、色彩の魔術師とも呼ばれ、華やかなしかも綿密な色面の構成で知られている。また身近な家族や、室内の情景を主題として、親密な雰囲気を特徴としている。この画面では、朝の町の風景が、透明で率直な筆触でつづられ、さわやかな大気の清らかさを感じさせている。空や街角の空間をみたすピンク色の光は、にじむように画面を覆い、人や建物の輪郭を奪ってたがいを溶けあわさせている。

北九州市出身の画学生、楠目成照(くすめしげてる)はパリにおいてボナールに師事したが、病を得て若くして客死している。入院中の楠目をボナールが訪ね、贈ったというエピソードを持つこの小品は、師弟の情愛をしのぶのにふさわしい伸びやかさと率直さを表している。

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