所蔵作品

部門
浮世絵
作家名
歌川国芳UTAGAWA, Kuniyoshi
生没年
1797-1861年
作品名
山海名産尽 紀州鯨
制作年
1828年頃(文政末期)
大きさ
35.2×25.8cm
技法・素材
竪大判錦絵

諸国の名産を描いたシリーズの一つである。国芳はシリーズを通じて画面中の主役を、名産ではなく人々の生活や営みに置いている。この図でも主役は鯨取りではなく、海岸の親子。この頃の国芳の習作期。色々なものを参考にして画面に取り入れている。内容の多くはこの図の20年前の寛政11(1799)年に刊行された『山海名産図会』が参考にされている。また、このシリーズの背景は舶来顔料であるベロリン藍が基本の色となっているが、使われはじめたばかりの流行色で当時この色は洋風の感じを思わせた。この図に見られる手前の浪はいかにも北斎が描く浪を思わせる。国芳は色々なものを貪欲に取り入れ、その後の方向性を見いだしていった。

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