美術館協議会

平成23年度第1回北九州市立美術館協議会

名称

平成23年度第1回北九州市立美術館協議会

議題

(1)報告1 平成22年度事業実施結果について
(2)報告2 平成23年度予算及び主要事業について
(3)報告3 その他
(4)議題1 北九州市立美術館運営評価について

開催日時

平成23年8月2日(火)
14時00分~16時00分

開催場所

北九州市立美術館 本館B1階 講堂

出席した者の氏名
委員
吉武弘喜委員
山梨俊夫委員
川浪千鶴委員
大島まな委員
古賀弘子委員
関野 弘委員
永津美裕委員
松榮 聡委員
事務局
北九州市立美術館長 西村勇晴
美術館副館長 石本信義
美術館普及課長 中尾成孝
美術館普及係長 恵良修次
美術館学芸係長 那須孝幸
美術館分館長 小田口司
美術館普及係 福富春香
議事の概要

平成22年度事業実施結果並びに平成23年度予算及び主要事業を報告後に、北九州市立美術館運営評価について意見をいただいた。

経過
会長
それでは、まず事務局から報告について説明をお願いいたします。
事務局
《「報告」について説明》
(1)平成22年度事業実施結果について
(2)平成23年度予算及び主要事業について
(3)その他
会長
ただいまの説明に対して、ご質問はありませんか。
委員
入館者数の表中の「その他(建築展など)」とは何ですか?
事務局
小展示室での建築展やアートライブラリーの入館者をカウントしたものです。
委員
そこは美術館の持っている資料を展示しているのですか、また、アートライブラリーと小展示室は別ですか?
事務局
小展示室は、以前、建築展示室コーナーという名称でしたが、現在は、北九州市の建築物の紹介や、ポスターを展示するなど、展示内容を替えられるコーナーになっております。
美術館が持っている資料を展示する場合や、市の建築都市局が持っている建築模型、パネル、資料等を展示することもあります。
図書資料が閲覧できるアートライブラリーとは別のものです。
委員
その展示企画は美術館が行うのですか?
事務局
企画は美術館だけではなく、建築展示の場合は建築都市局と協議しながら決めております。
会長
入場者数はどのようにカウントしていますか?
事務局
コレクション展示室、企画展示室、市民ギャラリーについては受付で実数をカウントしています。「その他」のコーナーは、コレクション展等の入館者に、過去のデータを基に一定の割合を乗じて算出しております。
委員
ミュージアムコンサートとわくわくアートミュージアム事業の予算は、企画展経費に含まれているのですか?
事務局
「わくわくアートミュージアム事業」経費は、予算の項目の「維持管理費等その他」の中に含まれております。
また、ミュージアムコンサートは友の会が主催しており、経費は教育委員会以外の文化振興課からの委託料で開催しており、美術館の予算には入っていません。
会長
それでは次に、北九州市立美術館運営評価の議事に移ります。事務局より説明をお願いいたします。
事務局
議題1の北九州市立美術館運営評価ですが、今回、初めて実施するものです。前回の美術館協議会において決定した「美術館運営評価システムの進め方」の評価シートを使って実施いたしました。
手順は、22年度の事務事業の実績をもとに、事務局が5月末までに自己評価し、それをもとに、6月の1ヶ月間で委員皆様に外部評価を行っていただきました。
配布している15ページの資料で、評価項目AからEの項目を一括して説明し、その後に、一括してご質問又はご意見をいただきたいと思います。
《北九州市立美術館運営評価 項目Aから項目Eについて説明》
ご審議をいただき、ご承認を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
会長
協議に移ります。まず、評価項目Aの資料収集・保存について、ご質問、ご意見等があれば、よろしくお願いします。
説明の趣旨は、コレクションの保存状態チェックについて、ポイントを絞って実施したいとのことでした。現実的には妥当と思いますが、全体のチェックはどうなるのでしょうか?
美術館関係の委員の方に、それぞれ館でどのように資料のチェックを実施しているのか、照し合わせながら、ご意見をお願いします。
委員
年間1500点のチェックは不可能ではありませんが、チェックする方針が大事です。
どこの美術館も、全体の所蔵品について定期的に状態や点数のチェックをしています。それと、細かく見て修復の必要性の判断までするのか、チェックの仕方で手間が違います。方針を決めないで、単に点数を目標にするのはいかがなものかと思います。
それと、年1回の「くん蒸」はやめたほうが良いです。ある作品に年1回の「くん蒸」をすると、作品が傷むというのが、最近の保存科学の常識です。
単純に年1回としないで、保存科学の考え方を調査したうえで、美術館の実情に合わせた方法を採ることを考えるべきです。
また、少なくとも美術作品を年1点を修復するとなっていますが、事業目標の表現として数字をあげるというのは、結構難しいのではないでしょうか。少し検討してはどうかと思います。
事務局
ご指摘のとおりと思いますが、評価項目のAは、学芸業務を評価の対象業務とするうえで大事な評価項目なので、非常に困難を感じながらも目標を数値化しております。
収蔵品チェックについては、ご指摘のとおり、数えるだけやチェックするだけなら1500点も可能ですが、目標にあげているのは修復を想定した数字です。そう考えますと、22年度にチェックした700点というのも無理があったと思っております。
委員
修復が必要な所蔵品であるかどうか、チェックされた記録は保存されているのですか?
事務局
過去の資料を、もう一度ゼロから見直して、データベースも3年前から新たに作り直しています。併せて、保存状態のチェック表に関しても、もう一度ゼロから洗い出そうということで、新規で始める数が年間300点ということです。
事務局
少し補足しますが、評価シートに「例えばアルバイトなどをお願いして実施したらどうか」という意見がございました。
当館では、平成21年度までに、臨時職員を雇用して約7000点のチェックを行い、修復対象リストのデータベース化をして記録を保存しています。
委員
このチェックは学芸の仕事だから、臨時職員ではなく学芸員の目でするものだと思います。
事務局
「くん蒸」の件ですが、作品保護に関して職員を研修に参加させるなど、あるべき方向性の検討を進めています。
また、当館では「くん蒸」を長期間行えていない状態でした。それで、まずはしっかり行おうという意味で、昨年から、3箇所ある収蔵庫を1箇所づつ行っている経緯があります。
委員
評価について、到達目標に対して比較評価する方式なので、減点評価になりがちです。それで、機械的にB又はCという結果にならざるを得ませんでした。
特に行政施設は、その傾向が強いので、どこかに加点評価項目を入れて、自由に評価できると良いと思います。
また、判断材料にいただいた資料では、収蔵作品の点検によって浮き出た、背景にある問題や課題が判りません。同様に、対面調査の結果でも「何がわかって、何がわからないか」ということが、PDCAのサイクルでいえば、Doから次のCheck、その次のActionに繋がる情報になるわけですが、その点についても評価する側がわかりにくいと思います。
今後の課題ですが、これをした結果「何がわかって、何がわからないのか」ということが、個別項目ごとに整理されてないと、次のステップで新たな目標設定がなされた根拠がわかりません。
例えば、点検目標件数を1500点から300点にしたことも、課題の整理や取組み方針などバックボーンがないと、担当者しだいで目標設定がどうにでもなるという印象を受けます。そういうことで、実施した結果にともなう数字の背景にある課題等がわかれば、全体的に評価しやすかったと思います。
事務局
ご指摘ありがとうございます。評価方法そのものについても検討することが多いと思います。
なお、300点の内訳に関して説明します。当館ではコレクション展を年4回開催し、一つの展覧会に平均70点を出品しています。その準備のためにチェックする作品が、少なくとも70点あるので、合計で280点。ほかに出品しない作品に対する調査も付随しているので、それを加えると約300点となります。
そのほかに、作品の貸し出し等に伴うチェックを含めれば、最低で300点は、きちんとチェックすることを目標にしました。
委員
先ほど、理想の「評価A」と比べれば、事業の実施結果はBかC評価になりがちなので、評価方法の見直しのご指摘をされていましたが、尤もなことだと思います。
例えば、23年度の目標について、前提に中期的目標で5年後の目標があるわけです。いろいろなお話を伺いましたが、それが全部積み上がると5年後の目標に結びつくわけで、その視点も入れて総合的な見直しに繋げていけたらと思います。
また、3年前からデータベース化を進めているようですが、そのデータベースを学芸員の調査・研究、紀要発行という目標に繋げていくことが重要です。
学芸員は、多くの収蔵作品を何年もかけて調査し、新たな目録や研究報告書を作成し、将来は総括的な展覧会を開催しようとしています。そのとき学芸員の意識には、毎年、収蔵作品300点を機械的にチェックすることではなく、作業の積み重ねの中から生まれてくる活動の目標や計画があると思います。
そこがベースにあるから美術展の企画や調査・研究が一貫してできるという、積み重ねて繋げていくような部分についての説明や資料があると、そこから必然的に結びつけられる数字は明確な評価基準であると思います。
会長
今年は初めての自己評価なので、収集や保存状態チェックについての課題は、実際に作業をしながら、整理されていくだろうと思います。
いま、減点評価になりがちとの意見がありましたが、今回は、初めての挑戦として実施することにも意味があり、この形でやってみてはどうかと思います。
次の5年計画をたてるときに、目標の内容的な見直しがなされ、そこで新しい考えが反映されることを期待します。事務局は委員の意見を頭の隅におきながら、取り組んでいただきたいと思います。
では、つぎの評価項目Bに移ります。
委員
このワークの仕様は、ABCのランク評価があって、私ども委員が外部評価を行い、なおかつ提言があって、その提言から課題が出てきて、美術館側が課題解決のために取り組む方策と今年度の目標が示されています。この評価の流れはすごく良いと思います。
つまり、美術館が、出てきた課題に取り組んでいく方策までが示されている。そういう評価の一連の流れをもっとうまく見せていく方法がないかなという気がします。
それともう一つ実際に評価してみるとわかることですが、一生懸命に良い実績をあげていてもBしかつけられない、だから、今は結果としてBとCしか評価がないわけです。
例えば、横須賀やいくつかの美術館の評価システムには、S評価というものがあります。
ここのAが、おそらく他館のSで、BがAだろうと思います。そうすると、われわれ評価する側も、一生懸命やっていることにA評価をつけられます。もう少し張り合が持てる評価ランク付けが工夫されても良いのではと感じます。
会長
北九州市では、一般的に評価基準はA・B・Cなのでしょうか。
事務局
市全体の経営評価にはSはありません。
委員
市にはS評価はないですが、減点だけではなく、どこかで励ますということが絶対必要で、よくやっている箇所は加点をすべきです。
良いところや強みを励ます仕組みとして、S評価を取り入れることも良いのではないでしょうか。事務当局がSをつけにくいのなら、協議会で評価するなど、メリハリをつけても良いと思います。
会長
全体をみて総合的に評価するシートが1枚あっても良いではないかと思います。
例えば、「教育普及」の評価項目がC評価だからといって、全体として北九州市立美術館がC評価ということではないと思います。「たんけんパスポート」の利用者が減少しているためで、全体としての達成度は非常に高いと思います。
全体を俯瞰して共通する課題とか、どの部分を重要な課題としてとらえるのか、メリハリをつけて総括的なA・B・C評価やコメントをまとめてもよい気がしますので、検討いただきたいと思います。
会長
では次に項目Cへ移りたいと思います。
委員
今回「たんけんパスポート」の利用者数減が原因で全体の評価が下がっていますが、少子化社会が進んで母数が変わってきているのに、利用者の実数で比較評価することは疑問です。
公的投資のアカウンタビリティ(説明責任)で考えると、より多くの市民に美術館を利用していただくことが必要です。
その美術館に行く大人を育てるためには、子どもの頃に美術に親しむことが大事であり、子ども向けの施策の効果測定は大切です。利用者の実数ではなく、何パーセント減少したとか、その母数が反映される評価基準を考える必要があると思います。
事務局
「たんけんパスポート」は、90000枚印刷しましたが、約3000人しか使われていないことが問題です。子ども達は、ご両親・保護者と一緒でなければ美術館に来られないので、学校にアンケートを行って、どういう形でPRしたらご家庭に伝わっていくのか調べてみたいと思っているところです。
子ども達の母数が変わってきている中で、評価方法をどうするのかということも、それを含めて検討したいと思います。
会長
学校に調査をするときは、中学校だったら美術担当など先生を特定してお送りするとよいと思います。
また、委員の意見のなかに、カードではなく、チケットの束や小さな冊子の方が保護者まで届くのではないかと書かれていました。 
そういう手段の方が、子どもに、わかりやすいかもしれません。「もしよかったらご家族でお使いください」というものがあると親も関心を持つので、細かいことまで検討してはどうかと思います。
委員
私は小学校に勤務しております。小学校にはチラシ等含めて、たくさんの所から、様々な配付依頼物が届きますので、全てが保護者に伝わっていないのかもしれません。
この「たんけんパスポート」は、始まったときはかなりインパクトがあって、保護者に周知できたと思いますが、年数が経ち、印象が薄れてきたのかなと思います。
私は門司区ですが、小学生は保護者同伴でなければ、戸畑区まで行くというのは無理な状態です。したがって保護者にいかに情報を伝えていくのか、また、子ども達が保護者に連れて行ってほしいと、いかに声をだすかが鍵だと思います。
例えば、美術鑑賞教室などで、美術館が楽しい、おもしろい場所だということが、子ども達一人ひとりに伝われば、「たんけんパスポート」を使って、また美術館に行きたいという気持ちにつながっていくと思います。
また、それぞれの小学校では、窓口を図画工作科担当教師に決めていますが、「たんけんパスポート」の認知度は学校によって温度差があります。PRをより徹底するためには、「市政だより」など、いろんな広報手段が必要ではないかと思います。
また、パスポートは形が小さいので、いつのまにか紛れてしまって、使いにくいのではないかと思います。
委員
北九州市のより多くの子どもに来館してもらうには、家庭だけでなく学校との連携が大変重要だと思います。館内授業、美術鑑賞教室では、バスの使用料を負担しているようですが、結構、同じ学校が来ているようです。学校への営業活動はどのようにしていますか?
事務局
学校への営業活動は、小学校については美術館が直接実施しており、文書で参加依頼を行い、希望のあった小学校についてバス借上料全額経費を持つという形で実施しています。
中学校については、教育委員会が実施している中学生芸術鑑賞教室の中で、演劇、音楽、美術の3部門から各校で選択し参加しており、美術館から働きかけはしていません。
ちなみに、平成22年度は32校、23年度は36校の小学校が参加しています。また、22、23年度ともに参加したのは20校、重複を除いた累計では48校あり、市内の135校のうち、2年間でその3分の1くらいが参加しています。 
事務局
小学校美術鑑賞教室の説明会で、図画工作担当の先生に伺いましたが、美術館に来るためには授業カリキュラムの調整が大変なので、参加する学校はある程度特定されるとのことでした。
また、「たんけんパスポート」の周知や配付についても、学校ごとに対応のばらつきがみられました。
今後、保護者向けに周知をしっかり行って、情報が伝わるようにします。例えば、美術館の無料パスであることを強調するため「たんけんパスポート」のデザインを改良するなど、工夫をしたいと考えております。
また、美術鑑賞教室に付き添う先生方へアンケートを実施して、美術鑑賞教室に限らず「たんけんパスポート」についても幅広い意見等を把握することにしました。
委員
北九州市立美術館では子どもは有料ですか?
事務局
そうですが、「たんけんパスポート」を使えば、年間、5つの企画展は無料です。
会長
子どもを全部無料にしてはどうですか。
委員
ちなみに、高知では、県立美術館主催の展覧会については、高校生以下の子ども達は無料です。
事務局
その点については、内部で検討しております。
会長
国立博物館では、高校生まで無料になってきています。
それから、学校の事務室に送られてきて、自動的に配布される資料などは、あまり関心をもたれないと思います。
例えば、教科の研究会や、先生方が集まる勉強会といった機会に、サポーターやジュニアボランティアの募集など特定のことにポイントを絞ってPRさせてもらうことからお願いしてはどうでしょうか。
委員
地方自治体によってやり方が違うと思いますが、神奈川県では3、4年前から小中高校生まで無料にしています。
また、大人も対象にした「わくわくファミリーセット」というものがあって、毎月最終の日曜日に大人を割引にして、親子同伴の家族に景品をあげて、喫茶店でジュースを割引で飲んでもらうなどのイベントを実施して非常に好評でした。
「たんけんパスポート」の工夫もさることながら、家族を呼び込む取組みを全国的に調べてみれば、その中から採用できることや、参考にして新しく発想されることがいろいろあると思います。
併せて全国の自治体で、どこまで小中学生が無料化されているのか調べると、将来、無料化を進める場合に役に立つのではないかと思います。
委員
その調査の対象として紹介しますが、金沢21世紀美術館が、開館時に金沢市のすべての小中学生4万人の子ども達を招待したという有名な話があります。そのとき、会場で子ども達に配ったシートに、「次は大人と来てみよう」、「次は家族と来てみよう」といった景品がついた「三角くじ」をつけました。そうすると子どもが親を連れてくるのです。
同館では、そういう子どもを無料で招待し、次は大人を連れてくることを狙った取組みの効果が数値化されているはずです。当時、子どものリピーターに同伴して来る大人の実態について、ある程度の調査がされていました。
多少なりとも入場料の特典があるような制度があれば、来たことのない保護者よりも、美術館に来た子ども達の方が大人を連れてくるという事例です。
会長
では、評価項目のD、Eに移ります。
委員
「市政だより」に美術館のイベントがあまり載っていないと思います。福岡市の広報課に行って調べましたが、北九州市の何倍も掲載されています。これだけ良いものを提供しているのですから、「市政だより」をPRに大いに活用することが必要だと思います。
また、図録、小冊子、リーフレットを6回発行していますが、200万円以上の経費がかかっています。
例えば、モネ展の小冊子は12ページで、小中学生向きに作ったということですが、1冊当たり約140円もかけた割には、非常に中途半端という感じがします。
ルビもうっていないし、制作した1000部では美術鑑賞教室に参加している小・中学生の全てに配布できません。少しでもわかりやすいようにという気持ちはわかりますが、予算は効率よく使っていただきたいと思います。 
それで、取り組み課題に「図録等の作成の充実」とありますが、「充実」するばかりでは予算が膨れあがるので、「図録等の作成に工夫する」と入れていただきたいと思います。
事務局
ご指摘のとおり、小冊子に限らず図録やリーフレットなど、今後作成する目的に合わせて、その対象者、対象年齢、部数、経費、配布範囲などをきちんと検討し、実情に即して作成したいと思っています。
会長
課題のところに「図録等の作成の充実」と書いてありますが、「図録等の作成の改善・充実」としたらどうですか。
委員
ボランティア、ジュニアボランティア、サポーターのことですが、交通費の費用弁償はどうなっていますか?
事務局
費用弁償はしておりません。
会長
ボランティアさんは友の会に入られているのですか?
事務局
入られている方が多いです。
委員
ジュニアボランティアとサポーターのことですが、先ほど教科の研修会あたりで宣伝してはどうかということでしたが、中学校は区ごとで実施しているので市全体は難しいと思います。また、高校は市内に美術の教員が5人しかいないので県単位でしか研修が行えない状況です。
例えば、8月に美術館で中学校合同展や、高文連展覧会を行っており、先生方がこの時期に美術館に集まります。特に、高校の場合は、非常勤講師が集まりやすいのが夏休みです。それで、夏休みの展覧会を利用して広報を行ったほうが良いのではと思います。
委員
市民参画についてですが、各ボランティアはそれぞれの意味があって設置され長年活動されていると思いますが、それぞれの役割の違いがわかりにくいという印象があります。
また、ボランティアの登録数だけが評価につながるのではなく、例えば、鑑賞に来られる方や、いろんな形で美術館を利用したりする方も市民参画ではないのかという考え方もあります。
ボランティア=市民参画ではなく、美術館に市民が親しんだという観点からも、市民との関りをもう少し幅広く受け止める評価ポイントを考えてはどうかと思います。
最古のボランティア制度をお持ちの館なので、何十年も経たなかで、他の美術館や地域から一歩進んだ立場で、現状と課題を提言することがあるかもしれません。充実期にあると、いつも右肩あがりの数字ではなくなるので、歴史を踏まえて見直し、こういう時期にはこういう内容でといった考え方があったほうがよいと思います。
事務局
美術ボランティア制度は当館発足当時にスタートして、自慢できる質の高い制度です。そういった制度を小中学校、高校、大学といった年齢層ごとにはめていこうとして、ジュニアボランティアや、サポーター制度を作ってきたという経緯があります。
市民参加については、今後、どういう形で社会、市民と美術館が関わる形があるのか検討して、これも市民参画ではないかというものがあれば、制度として取り込んでも良いと思います。
館長
いま、美術ボランティアは68名ですが、平均年齢が高く、次の世代を育てなければならない状況です。
その養成については、非常に緻密に行われる形ができていて、学芸員だけでなく、いろんな方が講師として来られ、美術史など専門的な授業をしていた経緯があります。
現実的に、現在の私たちの力ではそういったことはできない状況です。将来、大改修で美術館を閉める時期に、外部からも講師を招き、私たちも一緒になって、新しい方達を育てていければと思っています。
会長
これで、運営評価についての議事は終わりたいと思います。
基本的に美術館でまとめた運営評価シートが、教育委員会への資料となると思いますが、さきほどの総論をつけるかどうかは美術館でご検討していただきまして結論をだしていただければよろしいと思います。

本日の議事はこれで終了いたします。委員の皆さんありがとうございました。事務局へ進行をお返しします。
事務局
会長ありがとうございました。これをもちまして、平成23年度第1回北九州市立美術館協議会を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
その他

傍聴者なし

問い合わせ先

教育委員会美術館普及課普及係
電話番号(093)882-7777