館長ごあいさつ

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北九州市立美術館は1974年の開館から数えて51年目に入りました。

 北九州市は1963 年、5 市(門司市・小倉市・若松市・八幡市・戸畑市)の対等合併により誕生し、東名阪都市圏以外では初めて、九州地方でも初の政令指定都市となりました。新市誕生にともない、市の芸術文化の振興を担い、市民の憩いの場となるよう計画されたのが、当美術館です。西日本における大規模な公立美術館の先駆けであり、建築家 磯崎新の設計による、2 本の筒が前方に迫り出す独特な外観から「丘の上の双眼鏡」として、半世紀の間市民に親しまれてきました。

 開館以来、数多の展覧会を企画開催し、世界の多様な芸術を紹介するとともに、美術を通じた教育普及活動を展開してきました。また未来へ残すべき美術作品を集め、保存・公開し、研究を深める活動を行ってまいりました。開館以前から始まった収集活動により、今では内外の近現代美術を中心に約8,000 点の作品を収蔵しています。

 開館から半世紀が過ぎ、北九州市を取り巻く状況も変化し、社会に求められる美術館の役割もまた、変わってきました。これまでの蓄積を踏まえつつ、新たな時代のニーズに向き合っていきたいと思います。

 ここに新たな50 年のスタートを切るにあたり、これまで温かいご支援をくださいました市民の皆様をはじめ、作品寄贈者や美術ボランティアの方々など関係者の皆様、そして開館以来当館を訪れたすべての皆様に、この場を借りて心から感謝申し上げます。今後とも当館への変わらぬご支援をお願いできれば幸いです。

 

2025年4月1日

北九州市立美術館

館長 後小路 雅弘

Director USHIROSHOJI Masahiro