展覧会・イベント
北九州市制60周年記念 分館開館20周年記念
没後50年
松野一夫展
分館
2023年9月16日(土)~11月12日(日) 会期中無休

松野一夫は、1895年、福岡県小倉市堺町(現 北九州市小倉北区堺町)に生まれました。上京後、安田稔のもとで絵を学びます。1921年、第3回帝展に初入選しましたが、前年より雑誌『新青年』の編集長 森下雨村に認められて同誌に挿絵を描き始めていた松野は、挿絵画家としての成功によって次第に洋画壇とは疎遠になっていきました。
『新青年』では、江戸川乱歩、小栗虫太郎、横溝正史ら多くの連載小説の挿絵も担当しながら、1921年5月号より1948年3月号までの表紙絵を約27年にわたってほぼ一人で描き続けました。翻訳小説における西洋の人物や風俗の描写に定評があり、自身も国籍に応じて人物の顔を描き分けることができると自負していました。松野は、少女雑誌のファッションページや少女小説、児童雑誌の表紙や小説など、あらゆる分野の挿絵で多くの人を魅了しました。ほかにも、本の装丁や絵本の出版など、その仕事は多岐にわたります。晩年には、個人的な楽しみとして、墨と淡彩を用いた郷愁を誘う作品を多数残しています。
“『新青年』の挿絵画家”として知られる松野一夫。本展では、『新青年』はもちろん、そのほかの分野の多彩な仕事や、これまであまり紹介される機会のなかったパリ滞在期のスケッチや油彩画、晩年の水墨画なども含めて、幅広い作品群から類まれなる画業の全貌に迫ります。
- CMスポット
- 会期
- 2023年9月16日(土)~11月12日(日) 会期中無休
- 会場
〒803-0812
北九州市小倉北区室町一丁目1番1号 リバーウォーク北九州5F
TEL 093-562-3215
- 開館時間
- 10時00分~18時00分(入館は17時30分まで)
- 観覧料
一般 1,300(1,000)円
高大生 800( 600)円
小中生 600( 400)円
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。なお障害者手帳を提示の方とその同伴者1名(身体障害者手帳については等級が1~4級の場合に限る)は無料。北九州市在住の65歳以上の方は2割減免(公的機関発行の証明書等の提示が必要)。詳しくはこちらをご覧ください。
※前売り券は、ローソンチケット(ローソン、ミニストップ)、チケットぴあ(セブン-イレブン)、セブンチケット(セブン-イレブン)、e+イープラス(ファミリーマート)、小倉井筒屋、北九州モノレール主要駅(小倉駅、平和通駅、企救丘駅)で販売。
※ローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケット、e+イープラスについては、展覧会開催中は当日料金での販売となります。
- 主催
- 松野一夫展実行委員会(北九州市立美術館、読売新聞社)
- 後援
- RKB毎日放送、九州旅客鉄道株式会社、
西日本鉄道株式会社、北九州モノレール、
筑豊電気鉄道株式会社、株式会社スターフライヤー - 協力
- リバーウォーク北九州
- イベント
ギャラリートーク
学芸員による解説を聞きながら作品を鑑賞します。
開催日
2023年 9月17日(日)【終了しました】
10月 1日(日)
10月29日(日)
時間=11:00~11:30
集合場所=5階ロビー
※参加費・事前申込み不要。展覧会観覧料が必要です。

(『新青年』第10巻第1号) 紙にインク 1929年
個人蔵

(『新青年』第15巻第5号) 紙に墨、インク 1934年 世田谷文学館蔵


(『時事新報』夕刊 1929年11月27日号~12月29日号 全28回)
紙に墨、インク 1929年 弥生美術館蔵

紙に水彩 1934年 早稲田大学會津八一記念博物館蔵

(『よみうり少年少女新聞』 1958年4月26日-12月30日 全107回)
紙に水彩、鉛筆 1958年 個人蔵

北九州市立自然史・歴史博物館蔵

挿絵原画(『新青年』第12巻第3号) 紙に墨、インク
1931年 個人蔵
松野一夫(まつの かずお 1895-1973)
画家。挿絵画家。福岡県小倉市堺町(現 北九州市小倉北区堺町)に生まれる。本名は一男。1912年、父の事業の失敗を機に単身上京。洋画家 安田稔に師事し、絵を学ぶ。1920年、雑誌『新青年』第1巻第4号で挿絵画家としてデビュー。翌年、同誌第2巻第5号で初めて表紙を任され、1948年3月号まで約27年間、ほぼ一人で描き続けた。1921年、第3回帝展に初入選を果たすが、挿絵画家としての成功によって洋画壇とは徐々に疎遠となる。1931年、渡仏。およそ1年間、パリを拠点にヨーロッパ各地を回る。帰国後も、雑誌『新青年』を中心に、国内外の探偵小説の挿絵のほか、児童雑誌や学年誌、少女雑誌、新聞小説の挿絵、本の装丁や、総合美術雑誌『美』を編集するなど、幅広い仕事を展開。鉛筆を用いた写実画や、黒地に白い絵具で線を重ねて版画のような効果を狙ったものなど、小説の内容や読者層に合わせてさまざまな画風で描き分ける感性と技量は他の追随を許さず、長らく挿絵界のトップランナーとして健筆をふるった。