展覧会・イベント

 福岡を拠点とした前衛美術グループ「九州派」の主要メンバーとして注目を集め、反芸術の旗手として活躍した菊畑茂久馬(1935-2020)。没後5年にあたる節目の年に、戦後日本のアートシーンに大きな足跡を残したその画業を当館コレクションにより振り返ります。
菊畑は、長崎市に生まれ、幼少期に福岡市に移りました。独学で絵画制作を開始し、1957年、前衛美術グループ「九州派」の結成に参加します。1960年代に発表した「ルーレット」シリーズは、国内外で話題をさらい、現代美術家として時代の寵児となりました。しかし、1960年代後半より作品発表から離れ、美術界と距離を置き、戦争記録画や山本作兵衛による炭鉱記録画の研究を行い、論考を多数発表します。その後、絵画制作を再開し、1983年に「天動説」シリーズを発表。以降は、大型油彩画の連作を次々に発表し、再び注目を集めました。
本展ではこのほか、同時代に国内で活動した具体美術協会や実験工房などの前衛美術グループに参加した作家の作品を紹介し、戦後に展開した美術動向も併せてご覧いただきます。また、ルノワール、ルオーなど西洋絵画の名品も展示します。
会期
2026年1月31日(土)~5月6日(水・振休)
会場
会場 北九州市立美術館 本館3F コレクション展示室
開館情報
開館時間 9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日 毎週月曜日(※月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌火曜日が休館。ただし5月5日(火)6日(水)は開館し、5月7日(木)が休館。)
観覧料
一般300(240)円、高大生200(160)円、小中生100(80)円
※( )内は20名以上の団体料金。
※障害者手帳を提示の方とその同伴者1名(身体障害者手帳については等級が1~4級の場合に限る)は無料。北九州市、下関市、福岡市、熊本市、鹿児島市にお住まいで、65歳以上の方は公的機関が発行した証明書を提示で観覧料90円。
関連イベント
記念講演会
演題:「菊畑茂久馬の生涯―「絵」とは、「絵描き」とは何か?」
日時:2026年1月31日(土)14:00~(90分程度)
会場:北九州市立美術館本館1階エデュケーションルームA
講師:山口洋三(インディペンデントキュレーター)
※申し込み不要。

学芸員によるギャラリートーク
日時:2026年2月28日(土)、3月28日(土)4月25日(土)11:00〜(30分程度)
場所:北九州市立美術館本館3階コレクション展示室内
※申し込み不要。ただし、本展観覧料が必要です。