所蔵作品

部門
浮世絵
作家名
歌川広重UTAGAWA, Hiroshige
生没年
1797-1858年
作品名
雪中おしどり
制作年
1830-1844年(天保年間)
大きさ
23.0×34.0cm
技法・素材
錦絵・和紙

歌川広重(1797-1858)は「東海道五十三次」「名所江戸百景」などの道中絵・名所絵で世に知られているが、一方では花鳥画も多く手がけていた。その多くは天保期(1830-44)に制作されており本図もその一つ。雪降る水面に浮かぶ一番(ひとつがい)のおしどりが描かれる。身も引き締まる冬の景であるが、画からはむしろ暖かみが感じられるのは、おしどり夫婦の姿と広重の温情によるものか。画中の賛は「おし鳥の 盃としき うす氷」。本図は絵画作品としても充分に楽しむこともできるが、本来は扇形に切り取って扇として用いるための画なので、このように元の状態で遺っているのは貴重な例と言えよう。

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