所蔵作品

部門
絵画
作家名
片多徳郎KATATA, Tokuro
生没年
1889-1934年
作品名
N(中出氏)の肖像
制作年
1934年
大きさ
130.6×97.0cm
技法・素材
油彩

作者は大分県出身で、大正から昭和初期にかけて文展、帝展を舞台に活躍した。「日本的油絵」を目指し、清新な画風の人物画や風景画を発表して、当時の画壇に新風を吹き込んだが、この絵を制作した晩年に近い時期には、精神的な不安定感に悩んでいた。鋭い描線、流れるような筆触で描き出されたこの男性の肖像画は、自らを運命の中に投げ出したかのような姿勢と表情を示している。同時に対象のありのままを表現しようという作者の強い意欲によって、画面にはモデルの心情と形態が迫力をもって表現されえている。対象の描写を超えて人間の宿命をも表明している。

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